こんにちは、吉政創成 菱沼です。
最近また小売店舗での無人販売のニュースが増え始めたように思います。
今回はコンビニやスーパーをはじめとした無人店舗のこれまでの動向について改めて思い出しつつ、最近の無人店舗事例を見てみたいと思います。
■無人店舗向けに作られたソリューションの過去と今
もともと日本国内(特に地方)には無人販売所と呼ばれるシステム化されていない素朴スタイルな農作物の販売形態がありました。私の出身地にもよく見かけるもので、父がよく購入して帰ってきていました。
昨今で言う無人店舗とは、そういった素朴スタイルなものではなく、AIやセンサー、キャッシュレス決済などを活用したシステム化が進んでおり、テクノロジーを非常に感じる場となっています。(もちろん昔ながらのスタイルは今でも残っており、見かけると悩みつつもタイミングの悪さから断念するというのが常になっていますが。)
さて、そんなテクノロジー型の無人店舗が大きな注目を集めることとなったのは、2020年から始まったコロナ禍です。感染リスクを低減させるために非接触・非対面を実現できる無人・自動決済店舗が評価されました。世界的にも「Amazon Go」が話題になり、日本でもそういったスタイルの店舗が増えるかもと思われましたし、実際、実証実験が相次いで行われていたと思います。
その流れは小売業にとどまらず、病院や飲食店でも無人化(省人化)ソリューションが導入されるケースが増えました。例えば、受付や予約、注文、決済といった一部の業務をシステム化することで、無人化・省人化を実現する取り組みが各所で進みました。小売分野においてはAIやセンサーを活用した実験的な店舗が登場し、業態ごとの可能性が模索されていたような時期です。(確か化粧品の会員制無人店舗もあったような…。)
その後、コロナ禍が落ち着いてきた2022年ころ、無人店舗から撤退するという事例が徐々に増え、無人店舗に対する運用面やコスト面、安全面などの理由から消極的な雰囲気が流れました。
とはいえ、無人店舗そのものが減速する一方で、決済や会員管理、予約管理といった省人化を支える仕組みは、そのまま各業界に定着してきつつあります。業務単位での効率化が現実的な選択肢として残ったという形ですね。
その後2023年以降、今度は人手不足・人件費高騰が深刻化してきたことで再び無人化・省人化への注目が集まり始めました。いわゆる「2025年問題」に象徴される労働力不足を背景に、店舗運営を維持するための手段としてITの活用を改めて検討され始めました。このころになると、AI技術がより発展していたことや決済や入退店管理などの無人化・省人化実現ソリューションの精度や利便性が向上しており、以前と比べても選択肢も豊富になっています。選択肢が増えたことで、全面的な無人化にこだわらず、部分的・段階的にソリューションを導入する企業も増えてきた、というのが現在の状況ではないでしょうか。
■ここ最近で増えた無人・省人店舗
では、現在の無人・省人店舗にはどういったものがあるのか。
最近のニュースを見てみると、完全な無人の店舗もあれば、一部の業務を無人・省人にしたようなものが見つかります。実証実験中のものも含めて、いくつかご紹介してみたいと思います。
無人店舗:ロボット&タッチパネルで商品選択と決済(実証実験)(成田空港)
2025年10月~12月(現在は終了)、成田空港第3ターミナルでロボットを使用した無人店舗が運営されました。この店舗ではお土産を取り扱っており、お客様が店舗前のタッチパネルで選択し、決済した商品をロボットが取りに行って受渡場所まで持ってくるというものです。
リリースによると、この実証実験を行った目的は、人手不足問題に向けた解決策の一手として、ロボットシステムの開発やサービス提供時の実践的なノウハウを蓄積することだったそうです。(え、すごい行きたかった…。)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000927.000004762.html
無人店舗:セルフレジ+入退店管理(カインズ)
2025年12月、カインズが無人店舗をオープンしました。第3創業期に育んできた施策を結集した次世代型店舗という位置づけで24時間営業の無人型小売店舗になります。形態としてはセルフ操作を前提としたものです。
店内では音声・マップガイダンス(AI活用型の売り場案内システム)やアプリを使ったセルフレジによる決済といったデジタルサービスが取り入れられています。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2069878.html
省人店舗:人×デジタルテクノロジー(Real×Tech LAWSON)
2025年6月にオープンしました。この店舗はテクノロジーと人が理想的な形で共存する店舗を目指しており、ローソンとKDDI、三菱商事が合同で推進しています。
店舗内にはいたるところにサイネージやAIカメラ、センサーが設置されています。サイネージには、手に取った商品に対するレコメンドや、店内の連絡事項、現地の情報などが表示されるようです。
品出しや店内清掃、調理といった業務はロボットで行われており、ロボットの稼働状況やカメラ映像などから業務量の算出・分析をAIが行うとのこと。また自動配送ロボットによって、ビル内に商品を届けるといったこともしているようです。決済はスマホアプリによるセルフレジで、決済まで行われます。
Real×Tech LAWSON自体は21時で閉店します。
https://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1507040_2504.html
https://tobira.kddi.com/with-life/article00274
省人店舗:夜間無人×省人×AIカメラの活用(フィットネス SOELU)
2025年6月に公開された事例です。24時間営業を行っている店舗において、夜間スタッフが不在となる時間帯の安全管理と本部からの店舗モニタリングのためにAIカメラを設置されました。AIカメラが異常を検知すると警備会社に連絡が行き、警備員が駆け付けるという体制になっているとのこと。また、本部が店舗内の様子をリアルタイムで確認できるようになったことで省人の状況でも適宜指示を受けられるようになったことに加え、マシンの利用率のデータを収集し、店舗の最適化に生かすといったことをされているようです。店舗への入館はQRコードをかざして入店という形式になります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000055404.html
■無人化・省人化、店舗の状況に合わせた選択肢
簡単に事例までご紹介しました。
こういった事例や過去の流れを改めて考えていると、「無人か、省人か」という二択ではなく、どの業務を人が担い、どの業務をシステムに任せるかを整理した上で、自店舗に合う形態や、段階を踏むかを考えるのが重要に感じました。
無人店舗には人手をかけずに運営できるという大きなメリットがある一方で、初期コストや安全面への懸念が残るケースもあります。一方の省人店舗は、段階的に業務をシステム化できるため、コスト面への負担を押さえながら、最小限の人手で店舗を運営するという点が魅力です。ただ、こちらも安全面への配慮は欠かせないものであるのは同じかと思います。
店舗の特性や業態、立地などの条件によって最適な形は異なります。自店舗にとって何が現実的で、どこから手を付けるべきかを見極めながら、無人化・省人化を検討していく必要がありそうです。
とはいえ、こうした検討を進めるにあたって、どちらの方が最適なのか、どう進めていくかに悩まれるかと思います。
こちらのコラムを掲載しているランシステムは、自社が運営する自遊空間において、無人化・省人化を実現するソリューションを多々開発しており、また、省人店舗・無人店舗で起きたトラブルや課題にはシステムのアップデートで対応したり、人力で対応したりと、様々な試行錯誤を繰り返されてきたそうです。
そしてそれらのシステムは自遊空間だけでなく、他の企業にも導入されています。
どのように自遊空間の省人化を進め、無人の時間帯を設けることに成功したのか。他の企業ではどのように成功に至っているのか。自社・他社の様々なノウハウを保有していますので、現在課題を抱えている企業様、豊富なノウハウと技術を持つランシステムにご相談されてみるのはいかがでしょうか。

