当社黒澤のコラム「ヤマハ 10ギガアクセスVPNルーター RTX1300 誕生! -2022年9月発売開始-」

以下はSCSK株式会社より許可を得て期間限定で掲載しています。

Inerop2022で展示されていたRTX1300が9月から出荷開始されます!
まだ手元に実機はありませんが、発表された内容からRTX1300がどんなルーターなのか、個人的主観を交えながらまとめておきます。

目次

RTX1300の外観

RTX1300のポートレイアウトは、RTX1200、RTX1210、RTX1220を継承したレイアウトになっているので、機器の入れ替えなども容易に行えそうですし、運用マニュアルなども大きく変えずに済むのはメリットです。

写真1 外観比較

RTX1300の外観を詳しくみると、筐体は金属筐体で冷却ファンを2基搭載し、奥行きが294mmとRTX1220の239mmより55mm程度伸びています。大幅な性能向上に伴う熱対策が施されたと思われる。実機がないのでファンの騒音まで分からないが、これまでのヤマハネットワーク機器のファンの騒音は非常に小さい。おそらく静穏性も配慮しこのサイズアップにおさめのだと推測できる。そして、最大の変化は、LAN2、LAN3に10ギガビット対応のメタル、光のコンボポートが搭載された点です。10Gbpsに対応するためにはLANケーブルでもCat6A以上が必要となり、光ファイバケーブルの選択肢が増えることからSFP+スロットが排他利用で使えるようになったと思われる。

写真2 RTX1300外観写真
写真3 RTX1300正面写真
写真4 RTX1300背面写真
写真5 RTX1300上部写真

RTX1300
https://network.yamaha.com/products/routers/rtx1300/index#tab

外観写真ダウンロード
https://network.yamaha.com/support/download/tool

RTX1300の注目ポイント1 10ギガビットインターネットにチャレンジしたくなる機種

RTX1300の魅力は、なんといっても10ギガビットインターフェイスを2ポート搭載したことでしょう。(8ポートは1ギガビットポート)WAN回線に10Gbpsの光回線を接続し、LAN側にWi-Fi6、10Gスイッチ、マルチギガスイッチをつなぐことで、オールヤマハで10ギガビットインターネット接続環境を構築できるようになりました。参考構成(構成図1)

構成図1

そして、筆者がRTX1300で10ギガインターネットにチャレンジしたくなる理由は、図1の値にあります。スループットが9.9Gbpsで、NATセッション数が250,000に拡張されている点、昨今のアプリケーションは多数のセッションを使い高速な通信を実現するものが多く、インターネットアクセスする際にNATセッションを大量消費するため、この値が小さいルーターやNAT処理に難ありの機器の場合インターネットが遅くなったり、接続機器が増加すると通信が不安定な状態に陥ったりし、ルーターの再起動が求められることがある。筆者は、NAT処理に難ありのルーターの経験などを経て長年ヤマハルーターを使っているが、ヤマハのNAT処理は安定していて、パラメーターチューニングもできるので業務用として安心してお勧めしています。

図1 スペック比較

※ヤマハYouTube「ヤマハ 10ギガアクセスVPNルーター 『RTX1300』」より引用
引用URL:https://www.youtube.com/watch?v=E5IITBl9HDM

RTX1300の注目ポイント2 新機能「フレキシブルLAN/WANポート」

RTX1300に搭載されているLANインターフェース計10ポートを自由に構成できるような機能のようです。デフォルト設定では、これまでのRTX1220と同様の構成でLAN1(8ポート)、LAN2(1ポート)、LAN3(1ポート)の構成で使うことができ、10G回線と1G回線の冗長構成、複数の1G回線を束ねWAN帯域を広げるような構成も組めるようです。この新機能は実機を操作してから、どんな機能なのか詳しくレポートしたいと思います。

図2

※ヤマハRTX1300特長より引用
引用URL: https://network.yamaha.com/products/routers/rtx1300/index

RTX1300の注目ポイント3 強化されたVPN機能

図1のスペック表に示した通り、RTX1300は処理能力が大幅に向上しており、VPN性能も向上していいます。IPsecスループットが最大2.5Gbpsまで向上しており、最上位機種であるRTX5000と同等のスループットとなっています。それに加え、VPN対地数を最大1,100対地まで拡張可能(オプションライセンスの提供を予定)、これを適用すると上位機種であるRTX3500のVPN対地数を上回ることも可能です。VPN対地数が100を越える場合これまではGUIがないRTX5000やRTX3500を選択する必要がありましたがRTX1300にはGUIが搭載されているので、運用管理面での選択肢が広がったといえます。表1にヤマハルーターのVPN性能比較をまとめました。

表1

まとめ

筆者は、ヤマハルーターの発表の中でもエッジルーターのフラグシップ機であるRTX1xxxシリーズは将来を占う特別なものだと思っています。今回の目玉は何といっても10G対応で大幅な性能向上が行われ、それに伴い必要なソフトウェア面の対応(NATセッションなど)も丁寧に行われた印象。同時にVPN性能が向上したことにより、テレワークなどで活用されるリモートアクセスVPNの対地数も100を越えて設定が可能になります。(VPN拡張ライセンス ※今後対応予定)また、エッジネットワークの中心となるルーターのポート構成を自由に設定できる新機能「フレキシブルLAN/WANポート」も注目です。
なお、これまで通りLANマップ機能による見える化、YNO(Yamaha Network Organizer)による多拠点の遠隔管理機能、通信トラフィックをアプリケーションごとに識別し制御するアプリケーション制御(DPI)拡張機能ライセンスにも対応しています。次回は実機に触れた感想と少し踏み込んだ内容をレポートできると良いなと思います。

以上

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