Interop Tokyo 2025 新型ヤマハルーター「RTX840」「NWR100」展示レポート

幕張メッセで開催されたInterop Tokyo 2025 のヤマハブースに立ち寄りました。新型ルーターが2機種展示されており、ヤマハ中の人から説明を聞くことができました。私も色々質問させていただきましたが、快くご回答いただきありがとうございました。私の考察も交えレポートさせていただきます。
※発売前の製品で、変更等があるかもしれませんので、あくまで参考程度に最後まで読んでいただけると幸いです。

目次

ギガアクセスVPNルーター「RTX840」

互換性

RTX840という型番からRTX830の後継機の予感がします。ぱっと見RTX830との違いが判らないほどそっくりだと思いましたが、並べてみるとフロントデザインの違いと色が若干濃くなっている気がします。大きさ形は全く同じでインターフェースの場所も変わっていないのでRTX830をそのまま交換できる設計、RTX830のコンフィグもほぼそのまま移行できるとのこと。(※セキュリティ強化のため短いパスワードの場合は変更が必要)さすがヤマハさん、現場を考えた互換性は安心感があります。

新機能

続いて新たな機能について聞いてみました。ローカルブレイクアウト機能(以下、LBO)が搭載されたとのこと。企業規模が大きくなると、セキュリティ強化のため、すべての通信をセンター拠点経由で、セキュリティチェックを行う構成にすることが多くあります。ただし、十分な通信帯域の確保と、セキュリティチェック製品の性能も高める必要があります。このコスト負担が大きく対応できない場合、通信遅延や不安定な状態となり業務影響が出てしまいます。

Windows Updateの日や、休み明けの業務が集中するタイミングでネットワークが遅くなる企業の場合、このLBOを活用したネットワーク構成にすることで、問題が解決するかもしれません。今回リリースされたLBOでは、Windows Updateと特定のクラウドサービス(Microsoft365、Google系サービス)をローカルブレイクアウトできます。つまりセンター拠点を経由させないように通信を分離することができるのです。

その分、センターの通信帯域とセキュリティチェック製品の負担を減らすことができます。実は、これまでもヤマハは、アプリケーション制御 DPI(Deep Packet Inspection)という機能があり、ライセンスを購入してRTX830に搭載することで、ローカルブレイクアウトの設定をすることも可能でした。ただし、元々セキュリティ目的の機能で、通信を深く調べてアプリケーションごとに通信を制御する機能のためパフォーマンス影響の課題がありました。RTX840に搭載されたLBOは、MicrosoftやGoogleが公開している情報と連携する形をとっており、大きくパフォーマンス改善されているとのこと。ヤマハルーターのコマンドラインになじみのある方であれば、以下のコンフィグを見るとピンときますよね^^

MicrosoftやGoogle が公開している最新の情報を取得するコマンドなども用意されているそうです。ライセンス購入も不要とのことで、安価に課題解決できるヤマハらしいアップデートだと思いました。なお、この定義ファイルを独自に作り運用することも可能とのことなので、クローズなネットワークでの運用も可能そうです。

性能UP

様々なサービスがクラウドで提供されるようになり、近年NAT、動的フィルタのセッション数が増大傾向にあります。RTX830の最大セッション65,534に対して、RTX840では150,000まで増加しています。またソフトウェアの改善によりファストパスに入る前のTCPコネクションの処理性能も約30%強化しているそうです。大量セッションを処理するために、搭載メモリーはRTX830の4倍まで増強されています。現在RTX830で足りているという方でも、将来を見据えて、新たに導入を検討される場合は、RTX840を選択しておくと安心です。

RTX840まとめ

RTX840は、センター側の課題をエッジで解決するLBO、NATセッション増加で今後増大するトラフィックまで見据えた性能アップが施されており、RTX830の互換性まで考慮されている。一見地味なアップデートに見えるが、将来を見据えエッジで処理すべきことを完璧こなすルーターに仕上がっているように感じます。
また、IPA(情報処理推進機構)が策定した「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」のレベル1への適合を、2025年8月ころ予定しているそうです。

無線LANルーター NWR100(プロトタイプ)

NWR100という型番からも推測できるよう、全くの新しいコンセプトのルーターと思われる。筆者の記憶では、2001年発売に発売されたブロードバンド無線ルーターRTW65b 以来、24年ぶりの無線LAN搭載ルーターと思われる。プロトタイプということもあり、まだ情報が少ない状況ですが、得られた情報をレポートします。

初見

初見は、白くて割とコンパクト。壁掛け金具が付属されていて、きれいに設置を完了できそうなデザイン。本体内蔵のアンテナと思われるので、設置環境を意識するのは性能面でも重要といえます。

インターフェース

WANポートx1、LANポートx4(すべて1000Base-T)、microSDx1、SIMなし

Wi-Fi

Wi-Fi6対応(合計接続最大60台)
2.4GHz:最大接続数30台
5GHz:最大接続数30台

VPN

拠点間VPN不可
IKEv2リモートVPNのみ 10接続

設定方法

コンソールポートはありますが、初期段階で最低限のコマンドのみを受け付けるものとのこと。基本的な設定はGUIから行う設計。最近の無線AP製品もGUIを基本としているのに近いのかなと思いました。

ヤマハネットワーク30周年コーナー

ヤマハネットワーク30周年おめでとう!
歴代のヤマハルーターの一部の実機展示と、ボードで機種一覧が見渡せるものが展示されていました。
ノベルティは30周年記念学習帳には、初代ISDNリモートルーターRT100iと最新10ギガアクセスVPNルーターRTX1300のツーショット写真(保管用)かな。
30周年イベントがあるとしたら、ヤマハファンとして参加したいものです。

ギガアクセスVPNルーター RTX840特徴
https://network.yamaha.com/products/routers/rtx840/index

ギガアクセスVPNルーター RTX830特徴
https://network.yamaha.com/products/routers/rtx830/index

アプリケーション制御 DPI特徴
https://network.yamaha.com/products/software_service/dpi/index

セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)
https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/index.html

ブロードバンド無線ルーター RTW65b特徴
https://network.yamaha.com/products/routers/rtw65b/index

ネットワーク機器 30th Anniversary
https://network.yamaha.com/value/nw30th

ISDNリモートルーター RT100i特徴
https://network.yamaha.com/products/routers/rt100i/index

10ギガアクセスVPNルーター RTX1300特徴
https://network.yamaha.com/products/routers/rtx1300/index

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