こんにちは、吉政創成 菱沼です。
2022年2月、東京都はデジタル人材の育成方針を示した「東京都デジタル人材確保・育成基本方針」を発表しました。
この中で、都のDX施策立案を牽引する立場であるICT職にはより専門的な教育メニューを、そしてそれ以外の職種に対してはデジタルリテラシーの維持向上やIT基礎研修に加え、ノーコード、ローコードツールの活用といった教育を推進していくという方針が示されていました。
そこで今回はDXとノーコード、ローコードによる開発について考えてみたいと思います。
DXの課題は人材育成、デジタルスキルの習得とITリテラシー不足が課題
DXって何からすればいいんだろう…と混乱していた時期もありましたが、昨今は多くの企業がDXを取り組まなくてはならない課題という認識になってきましたし、取り組み事例も公開されるようになってきました。ただ、実際のところDXの進捗具合はどれほど進んでいるのでしょうか。
そこで、Modisという企業がビジネスパーソンを対象に行った組織内のDX推進の進捗状況と課題について行ったアンケート調査がありましたので、まずはまとめてご紹介してみます。(一部上位のみです。)
①DX推進の状況:進んでいる23.1%、遅れている41.5%
②DX推進の課題:DXを担う人財の育成34.2%、社員全体のITリテラシー不足19.6%
③自身がDX人財のスキルを持っているか:いない58.9%、持っている16.1%
(技術職に限定すると16.9%がスキルを持っているという回答)
④今後DX人財育成の教育を受けたいか:受けたいと回答 事務系45.3%、技術系50.8%
⑤DX推進で強化したい能力:専門的なデジタルスキル(AI、データ解析・分析)31.2%、プロジェクトマネジメント20%
課題の上位に挙がっているのは社員のスキルによる問題ですが、聞くところによると経営者の理解不足や推進力の問題、問題意識の低さなどが要因となっていることも多々あるようです。
ところで、問題となっているDX人財に必要なスキルですが、これにはプロジェクトマネジメント力、ビジネス戦略の立案・企画力・構築力、IT関連の知識や活用、データサイエンス、AI等の最先端技術の知識、UXデザインなどがあげられています。
必要なスキルは明確ではありますが、この調査結果からもわかるように人材の育成や社員のリテラシー向上はなかなか難航しているように思います。
では東京都は人材の育成をどう行う予定でいるのでしょうか。
「東京都デジタル人材確保・育成基本方針」ではICT職に求めるスキルを細かに設定しており、それ以外のすべての職種に対してもデジタル系のスキル・知識を底上げしていくような教育を施すとしています。
そして、それぞれに対して求める人材像とジョブタイプによって必要なスキルの設定、スキルチェックも行っていくとしています。研修も職層に応じた設定をしているようです。
先の調査にもあるように一般企業においてもデジタル人材の教育は手探り状態だと思います。そうした企業にとって東京都の育成方針や、昨年2月に経済産業省が公開しているデジタル人材に関する論点は一般職・専門職の双方の育成方針の参考資料として非常に参考になるのではないでしょうか。
ノーコード開発ツールがDX人材の育成に効果あり?
ところで、東京都は一般職に対してノーコード開発に関する教育も行うとしています。
ノーコード・ローコードによる開発は昨今注目を集めていますが、この手法自体は難しいシステムが作れるものではなく、あくまで簡易的なものであることがほとんどです。
そのため、もし、自社のDXに必要なシステムを実現したいのであれば、プログラミングやインフラ、セキュリティ等の高い専門性をもった人材によってシステムが構築されることになります。
ただ、ノーコード開発は一般職がデジタルになれること、システムと業務の関連や最適化について考えること、デジタイゼーションにつなげるという意味では最適なのではないかと思います。
実際、私自身、ノーコード開発をしたことがありますが、外部から取り込んだデータやユーザーが入力したデータをどう連携させ、どうデータを利用するか、どこで入力させるか、見た目はどうすれば使いやすいかといった様々なことをよく考えましたし、結果、業務の最適化・整理につながりました。
ノーコード・ローコードツールは簡易的だからこそ作り替えは容易です。そしてそのツールから得られるデータをシステムに取り込むこともできると考えれば無駄にはなりません。何より自分の仕事を楽にできるものが自力で作れれば最高です。
というわけで、まずは手持ちの業務を最適化する思考と、ツールが複雑にならないような仕組みを考えること、そこで得られるデータをどう活用できるかを考えるといった練習として、ノーコード・ローコードツールは最適だと感じています。
ところでランシステムでは「Platio」というノーコード・ローコードツールによって自遊空間の店舗運営の情報共有アプリを開発し、活用しています。
「Platio」にはすぐに使えるモバイルアプリテンプレートが100種類以上用意されているため、見た目を設定すればすぐに使えますし、他のシステムとの連携もできるため、自社の業務に合わせたアプリの実現が容易なため、開発工数を短くすることが可能だそうです。
「Platio」にご興味をお持ちの方は以下をご参照ください。ご質問があればぜひお気軽にランシステムまでお問い合わせください。