海外の無人化・省人化店舗の事例を調査してみた。

こんにちは、吉政創成 菱沼です。

ここ数回ほど、日本の無人化店舗について考えてきました。

ニュース検索でもいろいろな事例が出てきている中で、そういえば自動化やセルフ化が先進的だという海外では実際のところどういった形で無人化が進んでいるのか気になったので調べてみました。

出てきたいくつかの事例の中で感じたことについてまとめてみたいと思います。

目次

海外の無人化店舗の事例

海外の無人化店舗と言われると、個人的にまっさきに浮かぶのはやっぱりAmazon Goの印象が強いのですが、それ以外にはどのような事例があるのでしょうか。見つけたいくつかの事例をまずはご紹介します。

  • 米:無人化レストランeatsa

注文は専用端末か、スマホアプリからできるようになっていました。

注文したお品ができると、受け渡し専用のBOXから通知が出て、顧客が受け取りに行くスタイルです。裏側に調理スタッフさんがいるのだろうと思いますが、表からは見えず全く存在感がありません。

eatsaで利用されている技術は、Wow BaoやMAC’D、Roti Modern Mediterraneanといった飲食店にも提供されており、各店舗ではオペレーションの簡易化と店舗運営の効率化に成功しているようです。

利用している企業のひとつであるWow Baoでの注文~受取~実食までの動画が公開されていました。実際のシステムも映っていますのでご興味がある方はご覧ください。Wow Baoでは1名の説明スタッフが表にいるようで、初めてのお客様の利用にもしっかり備えているのがわかります。

ちなみに現在、eatsaは自社店舗を減らし、自店舗で得た無人化技術のノウハウを外販する方向に舵を切っているようです。

  • 英:スーパー Tesco GetGo

技術自体はイスラエルのTrigo社という企業のものを使用しているようですが、店舗の方式自体はAmazon Fresh(Go)と同じく、アプリのバーコードで本人認証、AIカメラで人の動きを追跡し、棚の重量センサーで商品を特定、アプリ決済でそのまま退店という方式をとっているようです。

紹介動画がYouTubeで公開されていたのでご興味がある方はどうぞ。

ちなみにある地域にGetGoの店舗をオープンしてから割とすぐ後に、徒歩数分の位置にAmazon Freshの店舗が開店したとか。バチバチですね。

Amazon Freshの店舗の中にはレジレスだけでなく有人レジを用意している店舗もあるそうで、その辺は臨機応変に対応している可能性もあります。

一方のTrigo社はAmazon Goのようにアプリによる方式を採用しつつ、Shufersalというイスラエルのスーパーチェーンでは会員カード方式のものも提供しているようで、企業側は地域の特性に応じてどちらの方式か選択できそうなのが利点にも思えます。

参考サイト:

無人レジ店舗で海外諸国が目指すもの、そして日本の行方

Top 7 Checkout Free Stores and Solution Providers for 2022

  • 中:フィットネスジム ミーパオ

事前にアプリに個人情報を登録しておき、10分前からの事前予約が可能になっているそうです。また、GPSによって現在地から近いジムボックスの使用状況や故障状況を確認でき、移動にどれくらいの時間がかかるかも教えてくれます。入店はボックスの二次元コード(QR)をスキャンし、運動終了後にスマホで決済をすれば電源が自動で落ちる仕組みになっているそうです。

参考:広場に突如、無人のジムボックスが登場

  • 英:無人ホテル YOTEL

チェックイン・チェックアウトを端末で行い、荷物を預かるのはアームロボット、という無人ホテルの先駆けと言われるホテルだそうです。アームロボット…ちょっとテンション上がりますね…。

無人ホテルは海外では割と多いようで、最近は日本でも増えてきているそう。YOTELも2022年7月に銀座に開業しました。アームロボット、やっぱり銀座にもあるんでしょうか。

参考:最先端をいくHuman-Lessなホテル「YOTEL」

海外の無人化・省人化店舗事例から考えること

Amazon Goによる影響か、業態的に浸透しやすい仕組みだったためか、見つけた事例は小売店や飲食店がやはり多くなりました。

とはいえ海外ではホテルやフィットネスジムのようなサービス業でも無人化は進んでおり、いくつかの事例が見つかりました。サービス業での無人化・省人化は日本でも最近は増えてきているようではありますが、文化的なものなのか海外の方が浸透しているようです。

ところで、これらの事例で気になった点がいくつか。

フィットネスジムの参考記事内で気になったのは、使用後のメンテナンスです。

事例のところだと、拠点的な面ですぐに掃除に行くのは難しそうなので、常駐清掃員が必要に思えますが、その辺の記述はありませんでした。フィットネスジムの場合は特に汗などで汚れやすくなりますので、回転率を考えれば清掃や高価な機材のメンテナンスをいかに効率的に、かつ迅速に終えるかということも考えなくてはなりません。

また、ホテルの場合ならチェックアウトをキーに清掃員を派遣させられますが、専用の端末などで清掃可能な部屋がどこにあるのかの通知がいくような仕組みがあると効率的に回れるように思えます。

次に、無人化店舗でありつつも説明文だけでなく、有人・遠隔といったフォローできる体制を用意していることや、動画で説明するといった形でちゃんと用意されていそうなこと。これはデジタルに不慣れな人もいれば、そうでなくとも新しいサービス形態の店舗へ不安感抱く顧客もいることを考えれば、対人コミュニケーションが取れるような仕組みにしておくのは顧客のことを思えば良いこと言えます。

そして、より興味深いと思ったのは自社で開発した無人化店舗の技術をサービスとして提供する方に事業を転換していることでした。まさにDX。

こういった無人化・省人化におけるノウハウや技術の会得・開発は一朝一夕にはいきませんし、同じ業種・業態、もしくは似たような仕組みで運営されている店舗は多いはずなので、成功している企業から技術提供を受けられれば短期間で成功する店舗づくりへの道筋をつけやすくなります。

ランシステムもそうした無人化店舗経営を成功させ、そのノウハウ・技術の開発に成功した企業の一つです。同社が運営する自遊空間は日本全国各地にあり、その中でいくつもの店舗の人手不足の解消と収益向上を成功させています。

そして、得た無人化店舗の運営ノウハウやシステムをパッケージにすることで、サービス業の無人化店舗づくりをサポートしています。

パッケージに含まれているソリューションは次の通り。無人化店舗経営に必要な仕組みが詰まっています。

  • 無人入会システム
  • セルフ入場システム
  • QR鍵システム
  • セルフ移動システム
  • セルフ精算システム
  • 清掃解除システム
  • リモート接客システム

事例の中で気になった、清掃・メンテナンスのタイミングや遠隔による顧客のフォロー体制の準備といった面で役立つソリューションも入っており、無人化店舗を目指す企業が抱える課題を解決する糸口になるのではないかと思います。

このパッケージやサポートについてご興味がある方はぜひランシステムまでお問い合わせください。

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