ランシステムCS室室長 青木が語る「店舗接客やリモート接客の極意」第2回:「省人化されても、あいさつはしっかりと」

このコラムは元警視庁の刑事で、現在、自遊空間を運営する弊社ランシステムのCS室室長である青木が社内向けに発信しているものです。弊社では店舗の無人化・省人化ソリューションや遠隔接客を推進しておりますが、このサイトをご覧の店舗経営者やマネージャーの皆様にも有用ではないかと考え、ご紹介いたします。

その第2回は「省人化されても、あいさつはしっかりと」です。

省人化された仕組みがうまく機能しないと、サービス品質が劣化することがありますよね。一方でお客様の感覚でいえば、サービスが劣化した場合、客足が遠のくのは事実です。そして、省人化された店舗であっても、やはり挨拶があったほうが良いのは事実です。そこで、今回は省人化された店舗でのあいさつを改めて考えるうえで、「あいさつ」の基本について解説いたします。興味がある方は是非ご覧ください。


先日びっくりしたことがあります。出張先で交番のおまわりさんから「おはようございます。お気をつけて行ってらっしゃい」とあいさつされたのです。

私が現職の頃はなかったので、警視庁の後輩に聞いたところ、この習慣の発祥地は福岡博多駅前交番と聞きました。これにより、博多駅周辺の事件発生件数が減少する効果があったようです。池袋警察署のデカ部屋にも『挨拶で示すヤル気と思いやり』とありました。あんな堅物の警察でさえ挨拶を重視しているのなら、私達サービス業のプロが挨拶を重視しない訳にはいきません。

特に朝のさわやかな第一声の「おはようございます。」という言葉の語源は、『朝も早くからご苦労様です。今日も一日お互いがんばりましょう。』と言う意味が含まれています。挨拶が大切な理由は、挨拶はコミュニケーションのアクセルになるからです。コミュニケーションは会社の『血流』です。この『血流』が滞ると会社は病気になります。良い仕事をするためには絶対に必要なのです。

ところで挨拶と言う漢字の語源をご存知でしょうか?挨は「開く」と言う意味であり、拶は「迫る」と言う意味ですから、「心を開いて迫っていくこと」が挨拶なのです。また挨は「押す」、拶は「押し返す」という意味もあり、したがって「挨拶されたら挨拶を仕返し、しなさい」と言う意味もあります。

職場においては、上司や同僚の目を見て、日々の挨拶が出来ていますか?朝の挨拶に元気はありますか?相手の耳に届かない挨拶の声では、挨拶をしているとは言えません。また、挨拶が聞こえていながら無視したりしていませんか?日頃から上司や同僚の目を見て挨拶が出来ないようでは、お客様の目を見て挨拶などできません。

接客の場面での挨拶は、優しい目でお客様と目線を合わせながら発声する「初動の言葉」であり、他の何よりも「お客様の心を押し開き」お客様とのコミュニケーションをとる第一歩です。そして挨拶は生涯の顧客(リピーター)になっていただくためのスタートの大切な言葉になります。アイコンタクトが苦手な方も、日頃から上司や同僚の目を見て挨拶をするように心掛けていると自然とお客様の目を見て言えるようになりますよ。

また、挨拶は出会いの3秒が最も大切で、出会いでお客様に悪いイメージを与えると、それを払拭するのに3年かかります。よって、初動の挨拶は何よりも大切で、それが表情豊かに、元気で、イキイキしていれば、挨拶した人も店舗の雰囲気も輝いて見え「感じの良い店だな、もっとこの店に居たい、また来たい、誰かに教えたい」と顧客満足につながります。

最後に「あ・い・さ・つ」という読み方(ひらがな)で覚えておきたい、それぞれの意味(キーポイント)を共有しましょう。

先ず始めに「あ・い・さ・つ」の「あ」は、『明るく』の「あ」です。 

お客様に限らず、人間の潜在意識の中には、誰しも家庭や仕事や病気等など不安や不信が多いものであり、元気をくれる店は人が好感を持ち、自然と人は集まります。よって、私達は常に心に元気を準備して、お客様を『明るく元気に』お迎えすることです。商売はNHK(ニコニコ・ハキハキ・キビキビ)が基本ですが、職場のコミュニケーションも同じです。

次に「あ・い・さ・つ」の「い」は、『いつも』の「い」です。

 いつでもどこでも「微笑」を生活習慣にしましょう。いつもブスっとした人より、人とし ても素敵です。よく世間では『あの人見かけはブスっとしているけど、本当は凄く良い人なのよ!』と言う声を聴きますが、皆が嫌がる顔を普段からしていて本当に良い人と言えますか?本当に良い人なら普段から「いつも」微笑を生活習慣にすべきですよね。出勤時も退勤時も「いつも」その時その場で感じの良い挨拶を忘れないことです。

また、店内ではお客様といつどこで出会うかわかりませんよね。どこかで見た顔だな~。意外とお客様のほうが覚えています。それは私たちにはその他大勢のお客様の中の一人でも、良く行くお店の店員さんはその店の顔だからです。だから、休憩するときも『この間のお客さん・・・。』『まじで~。キャッキャツ。』等は『私も噂されたらたまんないな』とか、『あ~疲れた~。』とポケットに手を突込み、だらしなく歩いていたり、ゲラゲラ笑いながら『まじ、チョーうける。ヤバイねー』等を見られると、普段はあんなにお行儀がいいのに?と不信感をもたれてしまいます。

次に「あ・い・さ・つ」の「さ」は、『先に』の「さ」です。

挨拶は誰よりも先に『心を開いて迫っていく』という語源のとおりです。だから、『私は先輩だから、あの子が先に挨拶するべきだ』『俺は上司だからアイツが先に・・・』ではなく気が付いたほうが先に挨拶するのが本当の挨拶だと心得ましょう。

余談ですが私が警視庁本庁の少年第1課において、不良少年少女に手をやく親御さんから、刑事さん「息子と全く会話がないのです。話かけても無言です。今度つれてきますからガツンと言ってやって下さい。」と相談されることがしばしばありましたが、そんな時は、決まって『挨拶がないと怒らずに親御さんから先に挨拶をし続けて下さい。息子さんが返事を返してくれたら、それが最初の会話ですから。』とアドバイスして、コミュニケーションが改善されたケースが多くありました。挨拶の基本は、こちらから「先に」を常に心掛けましょう。

次に「あ・い・さ・つ」の「つ」は、『続けて』の「つ」です。

継続は力です。挨拶する習慣が1ヶ月くらいは守っていても、少し立つと続けられないのでは無駄です。出退勤時や従業員同士での挨拶も徹底して続けて下さい。また、『続けて』と言う意味には、挨拶言葉に続けて何か一言付け加えて続けると更にコミュニケーションは深まります。

例えば、出退勤の挨拶も『おはようございます。今日は寒いですね』とか『お疲れ様です。気をつけて帰ってください。』等、お客様にも『いらっしゃいませ。雨の中をありがとうございます。』とか『いらっしゃいませ。お寒い中を・・・。』等の一言付け加えると感じが良いことから、コミュニケーションを加速させます。

以上、挨拶の大切さを理解していただけたと思います。それでは皆様、お体には十分お気をつけ下さり、店舗も本社も明るく元気な挨拶と笑顔で、お客様を笑顔にして下さい。

いかがでしたでしょうか?
現在、店舗の省人化を検討されている方は、是非、ランシステム システム外販部までお申し付けください。当社が実現してきた省人化のノウハウを活かしたご提案をいたします。

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