ランシステムCS室室長 青木が語る「店舗接客やリモート接客の極意」第6回:「アサーティブな話し方について」

このコラムは元警視庁の刑事で、現在、自遊空間を運営する弊社ランシステムのCS室室長である青木が社内向けに発信しているものです。弊社では店舗の無人化・省人化ソリューションや遠隔接客を推進しておりますが、このサイトをご覧の店舗経営者やマネージャーの皆様にも有用なコラムではないかと考え、ご紹介いたします。

第6回:「アサーティブな話し方について」 

まず『アサーティブ』とは、自分の気持ちや考えを、まっすぐに表現するやり方のことです。今回はその『アサーティブ』について、人間関係を潤滑にする言い方、伝え方の観点からアイ(I)メッセージとユー(You)メッセージについて、少しだけお伝えしたいと思います。

今回お伝えしたいアイメッセージとユーメッセージの違いですが、

例えば、あなたが休日に家のリビングで、リラックスして本を読みたいという欲求を満たそうとした時に、同じリビングで大きな音でゲームを始めたお子様に『ゲームじゃなくて宿題をしなさい!』『ゲームはうるさいからやめなさい!』と私達はついつい悪いのは「大きな音でゲームをして自分の読書を邪魔している子どもだ」と決めつけて、叱ったりします。すると、自分の欲求を一方的に否定されたと感じた子供は、頭にきて抵抗することでしょう。

これは部下が仕事でミスをした時にも同じことが言えます。『どうしてミスしたんだ!』と、ミスをした部下が悪いという具合に、相手を一方的に攻撃する厳しい口調で言ってしまったりします。

人は、本音を隠してコミュニケーションするから失敗するのです。 私たちは、誰かの期待に応えるために生きているのではなく、自分の欲求を満たす為に生きています。お互いに「こうしたい!」という自分の欲求を持っていますから、時にはその欲求同士がぶつかり合うこともあります。そういったイライラする感情の裏側には、「本当はもっとこうして欲しかった」という期待が隠れていたりするのですが、そうした本音部分を伝えずに、ついつい相手を責めてしまうのが私たちだったりするようです。

こんな風に、自分の欲求、つまり自分の本音を伝えずに、相手を攻撃するようなメッセージの伝え方を、カウンセリングやセラピー、コーチングの世界では「ユーメッセージ」と言います。自分の欲求を伝えるわけですから、本来なら主語が「私は」「私が」になるべきところを「あなたは」「あなたが」で伝えてしまうやり方です。

しかし、本当は困っているのは「あなた」ではなくて「私」なのですから、主語を「私は」とか「私が」にしないと変ですよね。では、どの様に伝えれば良いのでしょうか?

例えば、『○○ちゃんのゲームの音が気になって本が読めないんだ。もう少し音を小さくしてくれたら、お父さんは助かるんだけどな。それについてどう思う?』

この様に「私は」「私が」と主語を「私」にして伝えていくのです。私が期待していたこと、つまり本音をしっかりと伝えた上で、一方的にならないように「あなたはどう思う?」「あなたはどう感じる?」と相手の本音も聞いていくようなコミュニケーションをするということです。

こうしたメッセージの伝え方を「アイメッセージ」と言います。こんな風に伝えてみると何が起きるのかというと『お父さんの意見に対して、僕は・・・』と、相手の立場になってしっかり考えてから行動するということを学んでいきます。

例えば、部下がミスした時に『どうして君はミスしたんだ!』と相手を責めるのではなくて、『◯◯君なら今回の仕事をしっかり完成させてくれると期待して任せていたんだ。だけど、今回ミスしたということで、私はとても驚いているし、今後も仕事を任せたものかどうか今、とても心配しているんだ。それについてどう思う?』

こんな風にアイメッセージで本音をしっかりと伝えていくと、『そうだったんですか!次こそ頑張ります。任せてください!』と、前向きな意見を引き出していくことができるかと思います。

イライラの感情の裏側にあるもの、ここで大切なことは、相手の行動や発言にイライラした時、実はその裏側にあるのは、相手に対する期待や欲求、きっとこうしてくれるはず、という思い込みなのです。ところが私たちは、本音を語らずに相手を責めてしまって、相手のやる気を削いでしまったり、相手に反発心や無価値感、罪悪感などを植えつけたりしてしまいます。

私たちは身近な人ほど、本音を言わずに、ユーメッセージで相手を傷つけたり抑圧したりします。ですが、本当に身近な人だからこそ、アイメッセージで本音をしっかりと伝えることに心掛けたいものです。『君が企画書をきっちり作ってくれたおかげで、今回のプレゼンが通ったよ。ありがとう。』とか、『人が嫌がる仕事も黙って引き受けてくれて、私は本当に君に感謝しているんだ』などなど・・・。

こういったアイメッセージによる本音トークは、人間関係を円滑にする潤滑油の役割を果たしてくれると思っています。いま現在、店舗を含む職場でギスギスした人間関係の中にいると感じているなら、アイメッセージで本音を伝えることで、コミュニケーションに少し油をさしてみてはいかがでしょうか?

今回は「アサーティブな話し方」のほんの一部分についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?昨今、店舗の省人化が進む中、スタッフの方々との接点が少なくなり、ケアが疎かになったりすることもあるかもしれません。この話が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

最後に宣伝になりますが、現在、店舗の省人化を検討されている方は、是非、ランシステムシステム外販部までお申し付けください。当社が実現してきた省人化のノウハウを活かしたご提案をいたします。システム面でも強い当社ですが、店舗の無人化省人化はシステム以外のノウハウも重要です。興味がある方は是非お問い合わせいただき、一緒になって皆様の店舗の収益力と競争力を低コストで実現できる方法を模索したいと思います。

当社の無人化・省人化ソリューションについては以下をご覧ください。

あわせて読みたい
人手不足に対応!『無人化ソリューションパッケージ』 【無人化ソリューションパッケージの目的】 2030年には日本全体で600万人以上の人手が不足すると言われており、中でもサービス業は400万人の人手が不足する パーソル総...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次