黒澤一秀のコラム【セミナーレポート】「ヤマハ UTMアプライアンスUTX100/UTX200 ファーストルック」

以下はSCSK株式会社より許可を得て期間限定で掲載しています。

目次

ヤマハ UTMアプライアンスUTX100/UTX200 ファーストルック

1/25にヤマハから発表された、UTMアプライアンス「UTX100」「UTX200」のwebセミナーが2月に開催されました。私もセミナーに参加しましたのでレポートします。

今回発表された製品はUTMアプライアンスというカテゴリーとなり、これまでヤマハネットワーク製品にはなかった新たな領域の製品となります。これまでファイアウォール製品としてSRT100、FWX120がありましたが、これらの後継製品ではありません。

Unified Threat Management略してUTM、日本語では統合脅威管理と表現されます。今回ヤマハから発表された2製品UTX100、UTX200(以下、UTXシリーズ)は、ヤマハネットワークの利用者が多い中規模企業(SMB)向けのネットワークセキュリティを強化する位置づけの製品となり、2021年3月発売予定とのことです。

気になるUTXシリーズについて「セキュリティー機能」「ヤマハルーターとの連携」「充実したサポート」の3点を中心に説明がありました。

【セキュリティー機能】

UTXシリーズは、Check Point Software Technologies Ltd.(以下、Check Point社)との協業により、さまざまなセキュリティー機能を実現しております。ファイアウォール機能に加え、特徴的な機能として、アプリケーションコントロール、URL フィルタリング、侵入防止(IPS)、アンチウイルス、アンチボット、アンチスパム機能を搭載しマルウェアや標的型攻撃など様々な脅威に対抗できる製品になっています。

エンドポイントプロテクション(EPP)いわゆるアンチウィルス(ウィルス対策ソフト)のインストールが行えない、複合機や防犯カメラ、IoTデバイスのセキュリティー対策にも有効な製品といえます。これらの機器は不正なプログラムファイルを保存できる領域がないので安全であると思い込んでいる管理者もいるようですが、元々製品にバックドアが仕掛けてある場合や、製品自体のアップデートが困難なため多数の脆弱性の修正が行われずに放置されているケースが多くあり、エクスプロイト攻撃(脆弱性を利用した攻撃)の対象になりやすいと状況にあるといえます。放置すると、最悪インターネット上に存在するコマンド&コントロール(C&C)サーバと言われる、サイバー攻撃を行うシステムから操られ、他の組織を攻撃する加害者になってしまうこともあります。UTXシリーズを既存のネットワークに追加設置することで、こういった攻撃を防ぐことが可能になります。

また、比較的簡単に設定が行え、設定後の状態確認も簡単に行えます。

レポート画面が充実している点も嬉しいです。

【ヤマハルーターとの連携】

UTXシリーズの設置方法は2つあり、ブリッジモード、ルーターモードのいずれかを選択して設定、設置します。以下、設置イメージ。

ブリッジモードの特徴

ブリッジモードの場合、ヤマハルーターの配下に設置することで、ルーターのLAN マップからネットワークとセキュリティーの両方を一元管理することができます。

ルーターモードの特徴

ルーターモードで設置した場合、ヤマハルーターと拠点間VPNを張ることが可能です。

また、テレワークで使用するケースが多いYMS-VPN8とのリモートアクセスVPN接続も可能です。

なお、YMS-VPN8の設定画面で以下のようにインターネット接続をVPN経由とすることで、UTXシリーズを通してインターネット接続することが可能になります。

【充実したサポート】

ヤマハは、専用サポート窓口「UTXサポートサービス」を開設し、機器導入に関するお客様環境のトラブル解決をサポートします。サポートセンターから遠隔操作が可能となっており、機器のログ確認や設定の変更について、電話、問合せフォームから依頼が可能。また、UTXシリーズが自動作成したセキュリティー診断レポートはE-メールで定期配信が可能。ファームウェア自動更新に対応。万が一機器が故障した場合も先出センドバックに対応しており安心です。

UTMアプライアンスには初年度セキュリティーライセンスが付属されており、利用する期間に応じてセキュリティーライセンスを追加購入して利用します。なお、セキュリティーライセンスには、UTXサポートサービスが含まれています。

ライセンスはUTXアプライアンスに付属の初年度1年に5年のセキュリティーライセンスを追加することで、セット購入で最長6年を購入可能です。

【UTX100とUTX200の違い】

2製品の外観は以下の通り、UTX100が管理できるセグメントは、LANとWANの2セグメントに対して、UTX200はLANとWANに加えDMZの3セグメントの管理が可能でDMZはSFPポート対応です。なおUSBポートとCONSOLEポートが気になりますが、ヤマハではサポート範囲外とのことです。(コマンドラインもサポート範囲外)

最後に2製品の比較をまとめた資料になります。

サイジングの参考にしてください。

最後に

2021年2月15日 ヤマハは「日経コンピュータ パートナー満足度調査 2021」 ネットワーク機器部門においてを3年連続で第1位を獲得されました。おめでとうございます!ヤマハユーザの一人として嬉しく思っております。ヤマハネットワーク製品は、ルーターから始まり、無線LAN、スイッチ、UTM、クラウド製品と、時代とともに必要な製品を投入し進化し続けています。RTX検定も始まりヤマハ製品を扱うエンジニアの育成にも力を入れてきています。引き続きユーザフレンドリーな製品とサポートを生み出してくれることを期待します。

<参考URL>
2021年1月25日ヤマハ UTMアプライアンス『UTX100』『UTX200』
https://www.yamaha.com/ja/news_release/2021/21012501/

2021年02月15日「日経コンピュータ パートナー満足度調査 2021」
ネットワーク機器部門においてを3年連続で第1位を獲得
https://network.yamaha.com/news/news_nw_20210215_01

以上

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